令和最初の年の教育普及プログラムをふりかえるー6 ボランティア研修

当館では、ボランティアの皆さんがよりよい活動を行うための技能向上を目的として、ボランティア研修会を定期的に開催しています。

 これまでには、普段からパブリックプログラムやスクールプログラムで実施している写真・アニメーション制作プログラムおよび「色と形と言葉のゲーム」のファシリテーター研修や、プロの手話通訳者を講師に招き、耳が聞こえない方に対する接し方から簡単な手話を実践的に学ぶところまでのレクチャーなど、現在の当館のボランティア活動を行う上で必要と思われるさまざまな研修を行ってきました。

 2019年度も、いくつかの研修を実施。1つ目は、作品の額入れのデモンストレーションや、館のバックヤード解説など、普段は目にすることのない美術館の裏側に関するレクチャー。2つ目は、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の教授であり、同大のアート・コミュニケーション研究センター所長でもある福のり子氏による対話型作品鑑賞の講演です。

 なかでも11月24日に開催した福のり子氏を講師に迎えた研修では、当館ボランティアに加え、当館が所属する公益財団法人東京都歴史文化財団の他施設のボランティアも一緒に参加して実施する、当館初の機会となりました。コミュニケーションや対話を交えた作品鑑賞にまつわる福先生のレクチャーは、常日頃から意識的にものを見ることの大切さや、単なる答えではなく、物事の解釈や問いそのものを考え出す人間ならではの能力について、具体的な事例を踏まえながらテンポ良く進みました。最後には、皆さんからの質問や疑問に丁寧にお答えいただき、深い学びに満ちた、あっという間の3時間となりました。

 

 

質疑応答タイム。皆さんから活発な質問が飛び交いました

平成30年度 新規ボランティア研修会(2018年9月15日・18日)

当館で平成30年度の後半から新しくボランティアとして活動することになったスタッフに対する研修会が行われ、新規ボランティア14名が参加しました。

研修内容は驚き盤、フォトグラム、コマ撮りアニメーション、モノクロ銀塩プリントなど、

当館でのパブリックプログラムとスクールプログラムの中の定番となっている制作プログラムを体験しながら、さらにボランティアとして活動する場合に注意する点についての講習を受けました。

暗室制作プログラムでは、機材準備、薬品準備や使用マナーなどを詳しく説明しました。

特に暗室に出入りする際に、外の光が暗室内に入らないようにするため、必ず遮光カーテンを開ける前に、カーテンの向こうにいる人声を掛けてきちんと確認してから出入りすることの注意を伝えました。

また、教育普及担当職員より参加者サポートに際しての注意事項の説明がありました。

例えば、子供たちをほめる言葉として「うまい」や「上手」は使わないようにすること、驚き盤を割り箸に画鋲で留めるときにケガをしないように気を付けること、コマ撮りアニメーションの制作はローテーションしやすいように立って行うようにすることなどです。

これらは細かいことなのですが、注意しなければ、プログラムをきちんと進行することができない場合があるのです。

今回の研修のサポートスタッフとして活動した先輩ボランティアの中で、一番ボランティア歴の長いスタッフは15年間活動しています。

そんなベテランの先輩方に導かれて、新規ボランティアの皆さんも安心して研修を受けることができたようです。

一日がかりで多彩なプログラムを体験する、忙しいスケジュールでしたが、たくさん学んで充実した一日となりました。

 

平成30年度新規ボランティア研修会

実施日:2018年9月15日(日)・18日(火)

参加者:計14

 

先輩ボランティアのフォローの元でコマ撮りアニメーションの制作を体験

 

暗室作業体験でスタッフがプリントアドバイス

教育普及ボランティアを募集しています

現在、教育普及ボランティアを募集中です。

当館の暗室体験ワークショップやアニメーション・映像のワークショップなどで参加者の手助けをしたり、学校の授業で美術館に来館した児童、生徒の制作活動や、対話による作品鑑賞の活動のお手伝いをしていただきます。

本格的に写真を撮ったり暗室の経験のない方でも、ボランティアとして活動を始めていただく前にきちんと研修を行いますので、大丈夫です。

詳しい応募方法はこちらをご覧ください。申込締切は4月14日(金)です。

ご応募お待ちしております。

 

 

1