2020.12.01 Tuesday
令和最初の年の教育普及プログラムをふりかえるー6 ボランティア研修
当館では、ボランティアの皆さんがよりよい活動を行うための技能向上を目的として、ボランティア研修会を定期的に開催しています。
これまでには、普段からパブリックプログラムやスクールプログラムで実施している写真・アニメーション制作プログラムおよび「色と形と言葉のゲーム」のファシリテーター研修や、プロの手話通訳者を講師に招き、耳が聞こえない方に対する接し方から簡単な手話を実践的に学ぶところまでのレクチャーなど、現在の当館のボランティア活動を行う上で必要と思われるさまざまな研修を行ってきました。
2019年度も、いくつかの研修を実施。1つ目は、作品の額入れのデモンストレーションや、館のバックヤード解説など、普段は目にすることのない美術館の裏側に関するレクチャー。2つ目は、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の教授であり、同大のアート・コミュニケーション研究センター所長でもある福のり子氏による対話型作品鑑賞の講演です。
なかでも11月24日に開催した福のり子氏を講師に迎えた研修では、当館ボランティアに加え、当館が所属する公益財団法人東京都歴史文化財団の他施設のボランティアも一緒に参加して実施する、当館初の機会となりました。コミュニケーションや対話を交えた作品鑑賞にまつわる福先生のレクチャーは、常日頃から意識的にものを見ることの大切さや、単なる答えではなく、物事の解釈や問いそのものを考え出す人間ならではの能力について、具体的な事例を踏まえながらテンポ良く進みました。最後には、皆さんからの質問や疑問に丁寧にお答えいただき、深い学びに満ちた、あっという間の3時間となりました。
質疑応答タイム。皆さんから活発な質問が飛び交いました